システム解説

業務用の監視カメラと家庭用の違い|法人が業務用を選ぶ理由と、選ぶときの確認点

業務用の監視カメラと家庭用の違い|法人が業務用を選ぶ理由と、選ぶときの確認点

業務用の監視カメラと家庭用の大きな違いは、台数を増やせること、長期間録画を残せること、厳しい環境で何年も使い続けられることです。家庭用は数台をスマホで手軽に見る使い方に向いています。業務用は、録画機(NVR)に多くのカメラをつないで記録し、見る人や権限を管理する使い方を前提に作られています。

このページでは、業務用と家庭用の違いを比べ、法人が業務用を選ぶときの確認点を整理します。

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業務用と家庭用の違い(比較表)

業務用と家庭用の監視カメラの違い:つなぎ方・録画・台数・設置環境・管理
比べる点業務用(法人向け)家庭用
つなぎ方LANケーブル。PoEで電源も1本で送れるWi-Fiや電池式が多い
録画録画機(NVR)のハードディスクに連続録画本体のSDカードやクラウド
台数数十台〜数百台を1つの仕組みで扱える数台程度
残す日数台数・画質に合わせて容量を設計できるカードやプランの容量で決まる
設置環境屋外・高所・粉じん・塩害・防爆などの機種がある屋内や軒下が中心
管理見る人ごとの権限、操作の記録など家族で共有する前提
メーカー混在共通規格ONVIFなどで、メーカーをまたいで録画できる場合がある同じメーカーのアプリで見る前提
設置・保守配線工事と、点検・修理の体制を前提にする自分で取り付けられるものが多い

家庭用が劣っているわけではありません。目的と規模が違うため、作りが違います。

法人が業務用を選ぶ5つの理由

1. Wi-Fiが届かない・混み合う場所でも安定する

工場や倉庫、広い事務所では、無線は届く範囲や混雑の影響を受けます。LANケーブルでつなぐと、映像が途切れにくくなります。PoE(LANケーブルで電源も送る方式)なら、カメラごとにコンセントを用意しなくて済みます。

2. 必要な日数を確実に残せる

業務用は、録画機のハードディスク容量を台数・画質・日数から計算して決めます。考え方は録画容量・録画時間の計算方法をご覧ください。

3. 台数を増やしても、まとめて管理できる

録画機や管理ソフトで、多くのカメラを1つの画面にまとめて見られます。複数の拠点をまとめて見る方法は監視カメラの管理システム(VMS)とはで解説しています。

4. 厳しい環境に合わせて選べる

屋外の雨や粉じんには防塵・防水(IP66など)、いたずらには耐衝撃(IK10など)、可燃性ガスのある場所には防爆カメラ、と環境に合わせた機種があります。屋外の選び方は屋外用監視カメラの選び方|IP規格の読み方で解説しています。

5. 映像を見る人を限定できる

従業員や来客が映る法人の映像は、見る人を限定し、持ち出しの手順を決めて扱う必要があります。業務用の録画機や管理ソフトでは、利用者ごとに権限を分けられるものが一般的です。

業務用を選ぶときの確認点

  1. 目的と設置場所…何を映して、何を確認したいか。屋内か屋外か。
  2. 画質と画角…顔を見分けたいのか、全体の動きが分かればよいのか。レンズの選び方は監視カメラのレンズは何mmを選ぶ?をご覧ください。
  3. 録画機との組み合わせ…カメラと録画機が対応しているか。メーカーが違う場合はメーカーが違うカメラをまとめて録画するにはをご覧ください。
  4. 残す日数…何日分を残すか。
  5. 保守…故障したときに、誰がどう対応するか。監視カメラの保守契約とはで解説しています。

形状・画質・夜間性能など、機種選びの基本は監視カメラの選び方|失敗しない5つのポイントにまとめています。

業務用の監視カメラの価格の考え方

業務用は、カメラ単体ではなく「録画機・ハードディスク・ネットワーク機器・工事・設定・保守」を合わせた仕組みとして価格が決まります。カメラ本体の価格が同じでも、録画を何日残すか、配線をどこに通すかで総額は変わります。比べるときは、同じ条件(台数・画質・残す日数・保守の内容)にそろえた見積りで比べるのがおすすめです。

業務用の屋外カメラと屋内カメラ

比べる点屋外屋内
守るべき性能防塵・防水(IP66など)、耐衝撃、温度目立ちにくさ、天井へのなじみ
よく使う形バレット型、ドーム型(耐衝撃)、PTZドーム型、全方位カメラ
夜間赤外線や照明との組み合わせ照明が落ちる時間帯の映り
取り付け壁・ポール・軒下。配線の防水処理天井。天井裏の配線

屋外の選び方は屋外用監視カメラの選び方|IP規格の読み方、夜間の映りは赤外線カメラとは?で解説しています。

業務用の録画機(レコーダー)

業務用の録画機は、ネットワークカメラの映像をハードディスクに記録する「ネットワークビデオレコーダー(NVR)」が中心です。選ぶときは次の点を確認します。

  • 登録できるカメラの台数…今の台数と、将来増やす分
  • ハードディスクの本数と容量…残す日数から逆算します(録画容量・録画時間の計算方法)
  • 故障への備え…ハードディスクを2台以上に分けて記録する機能(RAID)など
  • カメラとの組み合わせ…メーカーが違うカメラを登録できるか

録画機の例として、DS-4220B UHD(標準20台・最大49台)やDS-2205B UHD(標準5台・最大20台)があります。

業務用カメラの主なメーカー

  • AXIS(アクシス)…スウェーデンのネットワークカメラメーカー。メーカーをまたいでカメラと録画機をつなぐ共通規格ONVIFを始めた会社の1つです。AXIS 監視カメラ 製品一覧
  • i-PRO(アイプロ)…パナソニックの監視カメラ事業を引き継いだ会社です。i-PRO 監視カメラ 製品一覧

すでに使っているカメラのメーカーや、録画機との組み合わせによって、選びやすいメーカーが変わります。

業務用カメラの形と使い分け

形特徴向いている場所
ドーム型向きが分かりにくく、いたずらに強い機種もある店舗・オフィスの天井、通路
バレット型筒形で目立ち、抑止の効果がある。遠くを映しやすい屋外、駐車場、出入口
ボックス型レンズを交換して画角を合わせられる特定の範囲を細かく見たい屋内
PTZ(旋回・ズーム)首振りとズームで広い範囲を1台で見る広い敷地、操作して追いかけたい場所
全方位(360°)天井の1台で部屋全体を見渡す広い部屋、売り場

形ごとの選び方は監視カメラの選び方|失敗しない5つのポイントでも解説しています。

業務用で使うネットワーク機器

業務用のネットワークカメラは、PoEスイッチからLANケーブル1本で映像と電源をやり取りする構成が一般的です。

  • PoEの規格…IEEE 802.3af(PoE)、802.3at(PoE+)、802.3bt(PoE++)などがあり、送れる電力が違います。ヒーター付きの屋外カメラやPTZカメラは、大きな電力が必要なことがあります。
  • スイッチの給電容量…スイッチ全体で送れる電力の合計に上限があります。カメラの台数と消費電力の合計が収まるかを確認します。
  • ケーブルの長さ…LANケーブル(イーサネット)の1区間の長さは最大100mです。遠い場所には、中継の機器や光ファイバーを使います。
  • カメラ用のネットワーク…業務用パソコンとはネットワークを分けて、映像の通信が業務に影響しないようにします。

よくある質問

Q. 業務用のカメラはスマホで見られますか?
A. 録画機や管理ソフトの機能で、スマホやパソコンから見られる構成にできます。インターネット経由で見る場合は、カメラや録画機をそのままインターネットに公開せず、VPNなど安全な経路を使う構成をおすすめします。

Q. 業務用のカメラは自分で取り付けられますか?
A. LANケーブルの配線や高所の作業、屋外の防水処理が必要になることが多く、設置工事を前提に考えるのが一般的です。費用の内訳は設置工事 費用の相場と内訳をご覧ください。

Q. どのメーカーを選べばよいですか?
A. 目的・環境・今お使いの機器によって変わります。当社ではAXIS、i-PRO(旧パナソニック)など複数のメーカーを扱っています。製品は監視カメラ(ネットワークカメラ)製品一覧からご覧いただけます。

Q. 家庭用のカメラを会社で使ってもよいですか?
A. 使えないわけではありません。ただし、台数を増やしたい、長期間残したい、見る人の権限を分けたい、故障に気づける体制がほしい、という法人の条件には合わないことがあります。目的と規模で判断します。

Q. 業務用カメラは何年くらい使えますか?
A. 設置環境で変わりますが、目安は監視カメラの寿命は何年?で解説しています。

まとめ

業務用の監視カメラは、台数・残す日数・設置環境・見る人の管理に合わせて設計できることが、家庭用との違いです。法人の導入全体の進め方は法人の監視カメラ導入ガイドにまとめています。機種選定から設置・保守まで、お気軽にお問い合わせください。

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