赤外線カメラとは?|夜間・暗闇でも撮れる監視カメラの仕組みと選び方
赤外線カメラとは、人の目にはほとんど見えない赤外線をカメラ自身が照射することで、照明のない夜間や暗闇でも撮影できる監視カメラのことです。夜間は自動で白黒(モノクロ)映像に切り替わり、屋外の防犯・監視用カメラでは標準的な機能になっています。この記事では、暗闇でも撮れる仕組み、よく混同される「サーマルカメラ」との違い、設置前に知っておきたい注意点をわかりやすく解説します。
赤外線カメラが「暗闇でも撮れる」仕組み

仕組みはシンプルです。①カメラに内蔵された赤外線LEDが、人の目にほぼ見えない光を照射し、②その反射をイメージセンサーが捉えることで、③照明のない場所でも被写体を映し出します。
多くの機種は「デイナイト機能」を備えており、明るい昼間はカラーで、暗くなると自動で赤外線モード(白黒映像)に切り替わります。切り替えはカメラが自動で行うため、運用の手間はありません。
なお「夜間もカラーで記録したい」という場合には、白色LEDを照射する機種や、わずかな明かりでカラー撮影できる低照度対応の機種という選択肢もあります。
夜の現場は「見えないリスク」だらけ

資材置き場・駐車場・工場の外周などは、夜間は人の目が届かず、盗難や不法侵入が起きやすくなります。照明を増やす方法もありますが、電気代や近隣への配慮を考えると、「照明なしで撮れる赤外線カメラ」を選ぶ方が現実的なケースが多くあります。
「サーマルカメラ」との違い

名前が似ているためよく混同されますが、赤外線カメラ(IR照明式)とサーマルカメラ(熱画像)は別物です。赤外線カメラは見えない光を「当てて」対象の姿を撮るのに対し、サーマルカメラは物体が発する熱そのものを映像化します。
サーマルカメラは完全な暗闇・煙・霧の中でも検知でき、広い敷地の侵入検知や温度の監視で活躍しますが、顔の識別など細部の確認は苦手です。「誰が居たか」を残したいなら赤外線カメラ、「何かが居ること・温度の異常」を捉えたいならサーマルカメラ、というのが大まかな使い分けです。
サーマルカメラや危険エリアでの監視については、防爆カメラとは?選び方と製品一覧【総合ガイド】 もあわせてご覧ください。
設置前に知っておきたい4つの注意点

① 窓ガラス越しの設置はNG:室内から窓越しに屋外を狙うと、赤外線がガラスに反射して映像が白飛びします。屋外を撮るなら、屋外対応のカメラを外に設置するのが基本です。
② 虫・雨の映り込み:赤外線の光には虫が寄りやすく、雨や雪も光って映り込みます。動体検知で通知する運用では誤検知の原因になるため、設置位置や検知設定で対策します。
③ 照射距離とレンズのバランス:赤外線が届く距離は機種によって異なります。「撮りたい場所までの距離」と「映したい範囲」に合った機種を選ぶことが、夜間の映りを左右します。
④ 屋外は防水・防塵(IP規格)を確認:屋外設置では防水・防塵性能も重要です。詳しくはコラム「屋外用防犯カメラの選び方|IP規格の正しい読み方」をご覧ください。
よくある質問
赤外線カメラは完全な暗闇でも映りますか?
はい。カメラ自身が赤外線を照射するため、照明のまったくない場所でも撮影できます。ただし赤外線が届く距離は機種によって異なるため、撮影したい距離・範囲に合った機種選びが重要です。
夜間の映像はカラーで残せますか?
赤外線モードでの撮影は白黒(モノクロ)になります。夜間もカラーで残したい場合は、白色LEDを照射する機種や、わずかな明かりでカラー撮影できる低照度対応の機種という選択肢があります。設置環境により向き不向きがあるため、現場に合わせてご提案します。
赤外線の光は人から見えますか?
人の目にはほとんど見えません。機種によっては、LED部分がうっすら赤く点灯して見える場合があります。
サーマルカメラとどちらを選べばよいですか?
「誰が居るか」を映像で確認したい場合は赤外線カメラ、完全な暗闇・煙・霧での検知や温度の監視が目的の場合はサーマルカメラが向いています。用途をお聞かせいただければ、最適な方式をご提案します。

赤外線カメラと暗視カメラ(高感度カメラ)は何が違いますか?
赤外線カメラは自分で赤外線を照射して写すため、まったく光が無い場所でも映りますが、映像は白黒になります。暗視カメラ(高感度カメラ)はその場のわずかな明かりを取り込んで写すため、街灯などが少しあれば、機種によっては夜でも色を残せます。設置場所に明かりがあるかどうかで、選ぶ方式が変わります。
赤外線カメラは何メートル先まで映りますか?
機種によって大きく変わるため、各機種の仕様表に書かれた照射距離をご確認ください。また、赤外線が届く距離と、顔や文字を判別できる距離は別です。何を判別したいのかによって必要なレンズと設置距離が決まりますので、用途をお聞かせいただければご提案します。
「暗視カメラ(高感度カメラ)」との違い
夜に強いカメラの話では、「赤外線カメラ」と「暗視カメラ(高感度カメラ)」がよく混同されます。どちらも暗い場所で使いますが、光を自分で出すか、もともとある光を活かすかが決定的に違います。
赤外線カメラは自分で赤外線を照射します。まったく光が無い場所でも映りますが、映像は白黒になります。一方の暗視カメラ(高感度カメラ)はその場にあるわずかな明かりを取り込んで映します。街灯や常夜灯が少しでもあれば、機種によっては夜でも色を残せます。服の色や車体の色が手がかりになる現場では、この差が効きます。
サーマルカメラはさらに別物で、光ではなく熱を映します。煙や霧の中でも人や車の存在は分かりますが、顔や文字の判別には向きません。
| 方式 | 見えるしくみ | 夜の映像 | 向いている場面 |
|---|---|---|---|
| 赤外線カメラ | 自分で赤外線を照射し、その反射を写す | 白黒 | 照明がまったく無い場所。資材置場、倉庫内、屋外の裏手 |
| 暗視カメラ(高感度カメラ) | わずかな明かりを取り込んで写す | 機種によってはカラー | 街灯や常夜灯が少しある場所。服や車の色を残したいとき |
| サーマルカメラ | 熱の分布を映像にする | 熱の濃淡 | 煙・霧の中、広い敷地の侵入検知、設備の発熱監視 |
「完全な暗闇か、少しは明かりがあるか」で選ぶ方式が変わります。実際の現場は、常夜灯がある場所と真っ暗な場所が混在していることがほとんどです。設置したい場所の夜の写真を1枚お送りいただければ、どの方式が合うかをお伝えします。
どこまで映りますか?距離の考え方
よくいただく質問ですが、「何メートル先まで」は機種によって大きく変わります。赤外線の届く距離(照射距離)は各機種の仕様表に書かれているので、まずそこをご確認ください。
注意していただきたいのは、「赤外線が届く距離」と「見て判別できる距離」は別だという点です。赤外線が届いていても、遠ければ人が写っているとしか分からず、顔や車のナンバーまでは判別できません。何を判別したいのかによって、必要なレンズと設置距離が決まります。考え方は 監視カメラのレンズは何mmを選ぶ?画角と「どこまで見えるか」の考え方 にまとめています。
もう一点、屋外では赤外線が反射して白飛びすることがあります。手前に壁・柱・フェンス・雨樋などがあると、そこだけ強く光って肝心の奥が見えません。設置前に夜間の映り方を確認できると確実です。
まとめ・関連情報
赤外線カメラは「夜、照明がなくても撮れる」が最大の強みです。ただし、設置場所・距離・環境によって最適な機種は変わります。迷ったら、設置したい場所の写真だけでもお送りください。現場に合う1台をご提案します。
