化学プラント・危険場所の映像監視は「防爆カメラ」で。

可燃性ガス・粉じんが存在する危険場所(防爆エリア)では、一般の監視カメラは設置できません。本ページでは防爆カメラの基礎知識・危険場所の分類・選び方を解説し、エムアイディ・ファーストが取り扱う防爆ネットワークカメラ・サーマルカメラを一覧でご紹介します。機種選定から設置・保守までワンストップで対応します。

防爆カメラとは

防爆カメラとは、可燃性ガス・蒸気・粉じんが存在しうる危険場所で使用できるよう、カメラ自体が着火源にならない構造(防爆構造)を備えた監視カメラです。通常の電気機器は、内部のわずかな火花や部品の発熱が爆発性雰囲気に引火するおそれがあるため、危険場所では使用できません。

日本国内では労働安全衛生法に基づき、爆発性雰囲気で使用する電気機械器具は型式検定に合格した防爆構造電気機械器具を使用することが義務付けられています。海外規格では IECEx(国際)や ATEX(欧州)が代表的で、輸入カメラでは国内検定合格品かどうかの確認が選定の重要なポイントになります。

危険場所(Zone)の分類

危険場所は、爆発性雰囲気が発生する頻度・時間によって次のように分類されます。設置場所がどのゾーンに該当するかにより、必要な防爆性能が変わります。

分類 ガス・蒸気 粉じん 状態
特別危険箇所 Zone 0 Zone 20 爆発性雰囲気が連続的または長時間存在する場所
第一類危険箇所 Zone 1 Zone 21 通常の運転状態で爆発性雰囲気が生成される可能性がある場所
第二類危険箇所 Zone 2 Zone 22 通常は生成されず、生成しても短時間にとどまる場所

どのゾーンに区分されるかは事業場の危険場所区分(ハザードエリア分類)によって定まります。区分が不明な場合も、図面や設置環境をお知らせいただければ選定をお手伝いします。

防爆構造の種類

防爆構造にはいくつかの方式があり、監視カメラでは耐圧防爆構造(Ex d)が主流です。

  • 耐圧防爆構造(d)…内部で爆発が起きても容器が圧力に耐え、外部の爆発性雰囲気に引火させない構造。防爆カメラの多くがこの方式で、堅牢な金属ハウジングが特徴です。
  • 内圧防爆構造(f/p)…容器内に保護気体を封入・加圧して爆発性雰囲気の侵入を防ぐ構造。
  • 安全増防爆構造(e)…通常運転時に火花や高温を発生させない部分について、安全性を高めた構造。
  • 本質安全防爆構造(ia/ib)…回路のエネルギー自体を着火限界以下に抑える構造。センサー類で多く使われます。

このほか、ガスの種類に応じたグループ(IIA/IIB/IIC)や、機器表面温度の上限を示す温度等級(T1〜T6)も選定時の確認項目です。

防爆カメラの選び方 5つのポイント

  1. 設置場所のゾーン区分…Zone 1(第一類)か Zone 2(第二類)かで選定機種が変わります。まず危険場所区分を確認します。
  2. 対象物質…ガス・蒸気か粉じんか、ガスグループ(水素系は IIC など)と温度等級の適合を確認します。
  3. 設置環境…屋外・海沿い・薬品環境では耐食性(316Lステンレスハウジング等)や使用温度範囲の確認が必要です。
  4. 映像要件…解像度・レンズ画角・ズーム・旋回(PTZ)・暗所性能。温度の異常検知や無人監視には防爆サーマルカメラ、危険エリア外からの広域監視にはサーマルカメラの併用も有効です。
  5. 配線・給電…PoE給電対応機種なら防爆エリア内の電源工事を抑えられる場合があります。レコーダーやネットワークとあわせてシステム全体で設計します。

防爆カメラ 製品一覧(メーカー別)

宮木電機製作所

オリエントブレイン(XDシリーズほか防爆カメラ)

AXIS(ExCamシリーズほか防爆モデル)

Hikvision(防爆ネットワークカメラ)

サーマルカメラ(危険エリアの温度監視・周辺監視に)

サーマルカメラは対象の温度分布を映像化するカメラで、設備の異常発熱の検知や、照明のない屋外周辺部の監視に使われます。防爆仕様ではないモデルは危険場所の外からの監視や、非危険エリアでの温度監視にご利用いただけます。

防爆カメラ・サーマルカメラの全製品は防爆カメラ・サーマルカメラ 一覧からもご覧いただけます。

導入シーンの例

  • 化学プラント・石油精製・製薬工場の反応槽・充填エリアの監視
  • 水素ステーション・ガス設備まわりの状態確認
  • 塗装ブース・印刷工場など溶剤蒸気が発生する工程の見守り
  • 穀物サイロ・粉体加工など粉じん爆発リスクのある現場
  • ごみ処理施設・バイオガス設備の遠隔監視

工場全体のカメラ計画については「工場のネットワークカメラ導入ガイド」もご覧ください。

よくあるご質問(FAQ)

Q. 防爆カメラとは何ですか?

A. 可燃性ガスや粉じんが存在する危険場所でも、カメラ自体が着火源にならないよう防爆構造を備えた監視カメラです。耐圧防爆構造(Ex d)の機種が主流です。

Q. 一般の監視カメラを危険場所に設置できますか?

A. できません。国内の危険場所では労働安全衛生法に基づく型式検定に合格した防爆構造の機器を使用する必要があります。危険場所の外から撮影する方法も含め、現場に合わせてご提案します。

Q. Zone 2(第二類危険箇所)でも防爆カメラが必要ですか?

A. Zone 2 も危険場所に区分されるため、区分に応じた防爆性能を持つ機器が必要です。ゾーン区分・対象物質が分かる資料をご用意いただければ、適合する機種を選定します。

Q. 高温環境や海沿い・薬品環境でも使えますか?

A. 機種により使用温度範囲や耐食仕様(316Lステンレスハウジング等)が異なります。設置環境をお知らせいただければ、条件に合う機種をご案内します。

Q. 防爆カメラの映像は録画できますか?

A. ネットワークカメラタイプであれば、対応するネットワークビデオレコーダー(NVR)で録画できます。弊社ではマルチベンダー対応NVR「DIGISTOR」シリーズをご案内しています。対応可否は機種により異なるため、弊社で確認のうえご提案します。

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「危険場所の区分が分からない」「既設の防爆カメラが故障した・廃番になった」といったご相談も歓迎です。
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