監視カメラの管理システム(VMS)とは|多くのカメラ・複数の拠点をまとめて見る、遠隔監視の仕組み
監視カメラの管理システム(VMS:ビデオ・マネジメント・システム)とは、多くのカメラの映像を1つの画面にまとめて表示し、録画の検索・再生、利用者の権限、機器の状態をまとめて管理する仕組みです。カメラの台数が増えたり、拠点が複数になったりすると、録画機ごとに個別に操作していては手が回らなくなります。そこで管理システムを使います。
このページでは、映像をまとめて見る3つの方法、遠隔監視の仕組み、選ぶときの確認点を整理します。
映像をまとめて見る3つの方法

| 方法 | 向いているとき | 注意点 |
|---|---|---|
| 録画機の画面・専用ソフト | 録画機が1〜数台で、同じメーカーでそろっている | メーカーや機種が混在すると、まとめにくい |
| 管理ソフト(VMS) | 多くのカメラ・複数の拠点を、権限を分けて管理したい | パソコンやサーバーの用意と、ソフトの管理が要る |
| モニタリングユニット | パソコンを置かずに、監視室や受付でライブ映像を見たい | 録画は録画機で行う |
パソコンを使わずに最大64台のカメラ映像を1画面にまとめて表示できる機器の例は、ネットワークカメラ モニタリングユニットとは?で紹介しています。
管理システムでできること
- まとめて表示…多くのカメラを分割画面で表示し、拠点ごと・フロアごとに切り替える
- 検索と再生…日時やカメラを指定して録画を探す。複数のカメラを同じ時刻でそろえて再生する
- 利用者と権限…見られるカメラ、再生や書き出しができるかを、人ごとに分ける
- 機器の状態…カメラの切断や録画の停止に気づく
- 通知…動き検知やAIの検知を受けて、担当者に知らせる
見る人ごとに権限を分けられることは、従業員が映る職場では特に重要です(職場に監視カメラを付けるとき)。
遠隔監視の仕組み
本社から支店や工場を見る、外出先から見る、という遠隔監視は、次のような構成が一般的です。
- 映像は各拠点で録画する…録画機を拠点に置き、回線が切れても録画が止まらないようにします。
- 見るときだけ映像を送る…本社や外出先から、必要なカメラの映像を呼び出します。
- 安全な経路を使う…拠点間はVPNなどでつなぎ、カメラや録画機をインターネットにそのまま公開しません。
- 回線の太さに合わせる…多くのカメラを高画質で同時に送ると、回線が足りなくなります。遠隔で見るときは画質を落とした映像を使う設定にすることがあります。
メーカーが違うカメラが混在している場合
拠点ごとに導入した時期が違うと、カメラや録画機のメーカーがばらばらになりがちです。メーカーをまたいで録画・管理する方法はメーカーが違うカメラをまとめて録画するにはで解説しています。メーカーが異なるカメラを1台に登録して録画できる録画機の例として、DIGISTOR(R.O.D)があります。
選ぶときの確認点
- 今あるカメラ・録画機が、そのシステムに登録できるか(型番で確認)
- カメラの台数と、今後増やす予定
- 見る場所(管理室・本社・外出先)と、見る人の数
- 必要な権限の分け方
- 拠点間の回線
- 誰が設定・保守を行うか
クラウド型とオンプレミス型
| 比べる点 | クラウド型 | オンプレミス型(録画機を置く) |
|---|---|---|
| 映像を残す場所 | インターネット上のサービス | 拠点に置いた録画機 |
| 費用のかかり方 | 月額の利用料が中心 | 機器の購入と保守が中心 |
| 回線への依存 | 映像を送り続けるため、上りの回線の太さが必要 | 回線が切れても録画は止まらない |
| 台数・画質 | 台数や画質が増えると利用料と回線の負担が増える | 録画機の容量で決まる |
| 向いているとき | 拠点が多く、各拠点の台数が少ない | 台数が多い、高画質で長く残したい |
両方を組み合わせ、録画は拠点の録画機で行い、確認だけをインターネット経由で行う構成もよく使われます。
スマホ・パソコンから見る仕組み
- アプリ・ソフト…録画機や管理システムのメーカーが用意するアプリやソフトで見ます。
- 経路…社外から見るときは、VPNなど安全な経路を使います。カメラや録画機の管理画面を、そのままインターネットに公開するのは避けます。
- 権限…見られるカメラ、再生・書き出しができるかを人ごとに決めます。
- ログイン情報…初期のパスワードのまま使わず、利用者ごとに分けます。
監視室(管理室)の作り方
- 何を常に見るか…出入口など、常に見ておきたい映像を決めます。すべてを常に見ることはできません。
- 画面の分割数…モニター1台に映すカメラの数を決めます。分割を増やすほど、1つ1つは小さくなります。
- 通知の使い方…動きやAIの検知で知らせを受け、そのときだけ見る運用にすると、少ない人数でも見落としを減らせます。
- 録画との分担…見る仕組みと録画する仕組みを分けると、監視室の機器が止まっても録画は続きます。
管理システムを選ぶときに見落としやすい点
- ライセンス…管理ソフトには、カメラの台数に応じたライセンスが必要な製品があります。将来の増設分も含めて費用を確認します。
- 対応カメラ…今あるカメラが登録できるか、使いたい機能(PTZの操作、AIの検知など)まで使えるかを確認します。
- サーバーの用意と保守…管理ソフトを動かすパソコンやサーバーの故障・更新も、保守の対象に入れます。
- アップデート…管理ソフトやカメラのソフトウェアの更新を、誰がいつ行うかを決めます。
拠点を増やすときの考え方
- 拠点ごとに録画を完結させる…各拠点に録画機を置き、拠点の回線が止まっても録画が続くようにします。
- 本社からは見るだけにする…本社や管理者は、必要なときに拠点の映像を呼び出します。
- 名前と番号のルールを決める…拠点名・カメラ名の付け方をそろえると、拠点が増えても探しやすくなります。
- 権限を拠点ごとに分ける…拠点の担当者は自分の拠点だけ、本社の管理者はすべて、のように分けます。
監視カメラのネットワークを安全に保つ
- 初期のパスワードのまま使わない
- 管理画面をインターネットにそのまま公開しない
- 使っていない利用者のアカウントを削除する
- カメラ・録画機のソフトウェアを更新する
- 録画機を鍵のかかる場所に置く
よくある質問
Q. 管理システムがないと遠隔監視はできませんか?
A. 録画機の機能で、パソコンやスマホから見られる構成にできる場合もあります。台数や拠点が増え、権限や機器の状態をまとめて管理したくなったときに、管理システムを検討します。
Q. 古い録画機のカメラも、まとめて見られますか?
A. カメラや録画機の型番によって変わります。型番をお知らせいただければお調べします。
Q. 監視室にパソコンを置きたくありません。
A. モニタリングユニットを使うと、パソコンを使わずにモニターへ映像を表示できます。
Q. 遠隔監視には、どのくらいの回線の速さが必要ですか?
A. 同時に見る映像の数と画質で決まります。たとえば1台あたり2Mbpsの映像を4台同時に見るなら、拠点側の上り回線で約8Mbpsが必要です。遠隔で見るときは、画質を落とした映像を使う設定にすると負担を減らせます。
Q. 古い録画機でもスマホで見られますか?
A. 録画機の機種によって変わります。型番をお知らせいただければお調べします。
Q. 管理システム(VMS)と録画機(レコーダー)は何が違いますか?
A. 録画機は、映像をハードディスクに記録する機器です。管理システムは、複数の録画機やカメラをまとめて、表示・検索・権限・状態の確認を行う仕組みです。録画機の中に管理の機能が入っている製品もあります。
Q. クラウドに映像を置くのは安全ですか?
A. サービスによって、通信や保存の暗号化、アクセスの管理の方法が違います。映像を見られる人の管理と、サービスの安全対策の内容を確認して選びます。
まとめ
カメラの台数や拠点が増えたら、管理システムやモニタリングユニットで、映像・録画・権限をまとめて扱う仕組みを考えます。録画は各拠点で行い、見るときは安全な経路で映像を呼び出すのが基本です。法人の導入全体の進め方は法人の監視カメラ導入ガイドにまとめています。構成のご相談はお問い合わせからどうぞ。

