監視カメラの保守契約とは|点検で確認すること、契約で決めておくこと
監視カメラの保守契約は、「録画できていなかった」を防ぐために、定期的な点検と、故障したときの対応をあらかじめ取り決めておく契約です。カメラは映っていても、録画機のハードディスクの不調や時刻のずれで、必要なときに映像が残っていないことがあります。点検でそれに早く気づき、壊れたときに誰がどう対応するかを決めておきます。
このページでは、点検で確認すること、契約で決めておくこと、更新のときの仕様の決め方を整理します。
点検で確認すること

| 確認すること | 内容 |
|---|---|
| 映像 | すべてのカメラが映るか。ピントのずれ、レンズの汚れ、向きのずれ、夜間の映り |
| 録画 | 録画が抜けていないか。決めた日数分が残っているか |
| ハードディスク | エラーの有無、使用時間、残りの容量 |
| 時刻 | 録画機・カメラの時刻が正しいか |
| 取り付け | ブラケットのゆるみ、さび、ケーブルの傷み |
| ネットワーク | PoE給電、スイッチの状態、通信の途切れ |
| ソフトウェア | ファームウェアの状態、利用者と権限の整理 |
特に見落とされやすいのが時刻と録画の抜けです。時刻がずれていると、映像を証拠として使うときに困ります(監視カメラの映像を証拠として残すには)。ハードディスクの不調のサインは監視カメラのレコーダーが故障したら?で解説しています。
契約で決めておくこと
- 対象の機器…カメラ・録画機・スイッチなどの型番と台数の一覧
- 点検の頻度と内容…年に何回、何を確認するか。報告書の形
- 故障したときの受付と対応…連絡先、受付時間、対応までの流れ
- 代わりの機器…修理の間、録画を止めないための手当て
- 費用の範囲…点検の費用と、部品・交換機器の費用をどう分けるか
- 生産終了した機器の扱い…修理できなくなったときに、何に入れ替えるか
「直せなくなる日」も契約の前提に
機器が動いていても、メーカーが修理を受け付けなくなる日が先に来ることがあります。保守の契約では、各機器がいつまで直せるかを把握し、入れ替えの時期を計画しておくと安心です。寿命と交換時期の考え方は監視カメラの寿命は何年?で解説しています。
更新するときの仕様書に書くこと
カメラや録画機を更新するときは、次の点を仕様書に整理しておくと、見積りを比べやすくなります。
- 台数と設置場所(既存の位置を使うか)
- 画質(解像度)と夜間の映り
- 残す日数と、録画のしかた(常時・動き検知)
- 今のカメラ・配線を活かすか
- メーカーが違うカメラを混在させるか
- 見る場所と見る人(管理室・複数拠点)
- 保守の内容
アナログカメラからの更新はアナログ防犯カメラをネットワークカメラに更新するには?、メーカーが違うカメラの録画はメーカーが違うカメラをまとめて録画するにはをご覧ください。
エムアイディ・ファーストの保守
当社は、設置したあとの点検・修理・入れ替えまで、長くお付き合いすることを大切にしています。メーカーが違うカメラが混在している現場や、生産終了した機器が残っている現場もご相談ください。型番が分からない機器も、写真などからお調べします。
保守の3つの形
| 形 | 内容 | 向いているとき |
|---|---|---|
| 都度対応(スポット) | 故障したときに、その都度依頼する | 台数が少なく、止まっても影響が小さい |
| 点検契約 | 定期的に点検し、報告を受ける | 録画が残っていないと困るが、故障対応は都度でよい |
| 年間保守(点検+故障対応) | 定期点検に加えて、故障の受付と対応を約束する | 止まると業務やコンプライアンスに影響する |
保守費用の考え方
保守の費用は、次の条件で変わります。
- カメラ・録画機の台数と、拠点の数
- 点検の回数と内容
- 故障を受け付ける時間帯と、対応までの目安
- 代わりの機器の用意
- 交換部品・機器の代金を含むかどうか
見積りを比べるときは、これらの条件をそろえて比べます。
自社でできる日常点検
| 頻度 | 確認すること |
|---|---|
| 毎日 | 映像一覧を開き、映っていないカメラがないか |
| 週に1回 | 録画の一覧で、いちばん古い映像の日付(決めた日数が残っているか) |
| 月に1回 | 録画機の時刻、ハードディスクのエラー表示 |
| 気づいたとき | 異音、レンズの汚れ・くもり、向きのずれ |
日常点検で気づいたことを保守の窓口に伝えると、故障を早く見つけられます。
他社が設置した設備の保守を切り替えるとき
保守を別の会社に切り替えるときは、次のものをそろえると引き継ぎが早くなります。
- 機器の一覧(カメラ・録画機・スイッチの型番と台数)
- 設置場所の図面(カメラの位置)
- ネットワークの設定(IPアドレスなど)と、管理者のログイン情報の引き継ぎ方法
- これまでの故障・修理の記録
型番が分からない機器は、本体のラベルや写真からお調べします。
点検報告書に書いてもらうこと
点検を受けたら、次の内容が報告書に書かれているかを確認します。
- 点検した日と、点検した人
- 機器ごとの結果(正常・要注意・異常)
- 録画が残っている日数と、決めた日数との比較
- ハードディスクの状態(エラーの有無、使用時間)
- 時刻のずれと、直したかどうか
- 汚れ・向きのずれなど、その場で直したこと
- 次の点検までに対応が必要なこと(交換の提案など)
報告書を毎回同じ形で残しておくと、機器の傷み具合の変化が分かり、入れ替えの時期を計画しやすくなります。
故障が起きやすいところ
| 部分 | よくある症状 | 備え |
|---|---|---|
| ハードディスク | 録画の抜け、認識しない、異音 | 使用時間を記録し、計画的に交換する |
| 電源・PoE | カメラが止まる、再起動を繰り返す | スイッチの給電容量に余裕を持たせる |
| 屋外の接続部 | 雨のあとに映らなくなる | 接続部と壁の貫通部の防水処理を点検する |
| レンズまわり | くもり、汚れ、虫の巣 | 定期的に清掃する |
| 時刻 | 録画の時刻がずれる | 時刻サーバーで自動補正し、点検で確認する |
レコーダーの故障の見分け方は監視カメラのレコーダーが故障したら?で解説しています。
重要な現場ほど、ハードディスクは計画交換を
個人情報を扱う部署、食品工場のフードディフェンス、医薬品工場など、映像が記録として重要な現場ほど、運用のしかたが大切です。
録画機の中で複数のハードディスクに分けて記録する「RAID5」は、ハードディスクが1台故障しても録画を続けられます。ただし、使用時間が長くなったハードディスクを使い続けていると、1台目が故障した直後に、2台目も続けて故障することがあります。RAID5で2台が故障すると、録画データは復旧できません。1年保管を決めている現場なら、1年分の映像を失うことになります。
| 方式 | 故障に耐えられる台数 | 向いている現場 |
|---|---|---|
| RAID5 | 1台まで | 録画が途切れても影響が小さい現場 |
| RAID6 | 2台まで | 1年保管など、映像を途切れさせたくない現場 |
当社では、こうした現場には2台までの故障に耐えるRAID6をおすすめしています。そのうえで、使用時間2万〜3万時間程度(24時間録画で約2年3か月〜3年5か月)を目安に、ハードディスクを1台ずつ順番に交換していきます。順番に入れ替えることで、録画を止めず、残している映像も途切れさせずに更新できます。交換作業も、保守の一部としてお請けしています。
よくある質問
Q. 他社が設置したカメラの保守も頼めますか?
A. 機器の型番と構成が分かれば、ご相談いただけます。まずは機器の一覧や写真をお送りください。
Q. 点検はどのくらいの頻度ですか?
A. 台数や設置環境によって変わります。屋外や粉じんの多い場所は、汚れや取り付けの傷みが進みやすいため、点検の間隔を短めにすることがあります。
Q. 保守契約がないと、どうなりますか?
A. 故障に気づくのが遅れ、必要な日の映像が残っていないことがあります。また、壊れてから機器を探すと、入れ替えまでに時間がかかることがあります。
Q. 保守契約の期間はどのくらいですか?
A. 1年ごとの契約が一般的ですが、内容によって変わります。機器の入れ替え時期とあわせて見直すと、無駄がありません。
Q. 古い機器でも保守してもらえますか?
A. 生産終了した機器も、型番が分かれば修理の可否や入れ替え先を調べられます。直せなくなる日に備えて、入れ替えの計画も一緒に考えます。
Q. 保守の見積りに必要な情報は?
A. 機器の一覧(型番と台数)、設置場所、設置した年、これまでの故障の記録、希望する点検の回数と故障の受付時間帯です。分かる範囲で構いません。
Q. 点検の時間中、録画は止まりますか?
A. 映像の確認だけなら録画は止まりません。ハードディスクの交換や録画機の再起動を行うときは止まることがあるため、影響の少ない時間帯に行います。
Q. カメラの台数が少なくても保守契約はできますか?
A. ご相談いただけます。台数が少ない場合は、点検契約や都度対応など、内容を絞った形も考えられます。
まとめ
監視カメラの保守は、点検で「映っている・録れている・時刻が正しい」を確かめ、故障したときの対応と入れ替えの計画を決めておくことです。法人の導入全体の進め方は法人の監視カメラ導入ガイドにまとめています。保守のご相談はお問い合わせからどうぞ。

