システム解説

アナログ防犯カメラをネットワークカメラに更新するには?3つの選択肢

アナログ防犯カメラをネットワークカメラに更新するには?3つの選択肢

「10年以上前に入れた防犯カメラが、そろそろ限界」——設備の更新でよくあるご相談です。

このとき多くの方が心配されるのが「配線をやり直す大工事になるのでは」という点です。天井裏や屋外配管を通した同軸ケーブルを引き直すとなると、費用も工期も大きくなります。

結論から言うと、更新の道は1つではありません。既設の同軸ケーブルを活かせる方法が複数あり、現場の条件によって最適解が変わります。このページでは3つの選択肢を比較します。

まず、いま使っているものを確認する

更新の話を始める前に、現在の機器がどの世代かを把握します。同じ「同軸ケーブルでつながっているカメラ」でも、中身は世代によって違います。

監視カメラの世代(アナログ・アナログHD・ネットワーク)
同軸ケーブルでつながっていても、アナログとアナログHDでは画質がまったく違います。
世代つなぎ方画質の目安
アナログ(CVBS)同軸ケーブル640×480(VGA)や720×480(D1)程度
アナログHD(AHD/HD-TVI/HD-CVI/HD-SDI 等)同軸ケーブルフルHD(1920×1080)相当が可能
ネットワークカメラ(IP)LANケーブルフルHD〜4K以上。機種により幅広い

見分け方が分からない場合は、レコーダーの背面の端子を見てください。丸い同軸端子(BNC)が並んでいれば同軸系、LANポートだけならネットワーク系です。カメラやレコーダーの型番をお知らせいただければ、こちらで確認できます。

更新の選択肢は、3つあります

それぞれ、費用も得られる結果も違います。

アナログカメラ更新の3つの選択肢
既設の同軸ケーブルを活かせるかどうかが、費用を大きく左右します。

A. アナログHDに更新して延命する

既設の同軸ケーブルをそのまま使い、カメラとレコーダーだけを交換する方法です。配線工事が不要なため、費用と工期を最も抑えられます。

画質は従来のアナログから大きく改善し、フルHD相当まで上げられます。ただし、ネットワークカメラのようなAI検知や遠隔監視の機能は基本的に使えません。「今の使い方のまま、画質だけ良くしたい」という場合に向いています。

B. 同軸を活かしてネットワークカメラ化する

既設の同軸ケーブルをLAN(PoE)に変換する機器を使い、ネットワークカメラを接続する方法です。配線は既設のまま、機能はIPカメラのものが使えます。

配線の引き直しが不要なので、稼働中の施設や、天井裏に手が入りにくい建物で特に有効です。具体的な機器と構成は「TLCで既設の同軸ケーブルを有効活用|アナログカメラをPoE対応ネットワークカメラへ」で解説しています。

C. LAN配線を新設してフルIP化する

新しくLANケーブルを敷設する、正攻法の更新です。制約なく機種を選べ、将来の増設にも対応しやすいのが利点です。

一方で、配線工事の費用と工期がかかります。天井や壁の状況、稼働中の施設かどうかで難易度が変わるため、現地調査が欠かせません。建物の改修やレイアウト変更のタイミングと合わせられると、負担を抑えられます。

3つの比較

3つの更新方法の比較
「何年使うか」「どんな機能が必要か」で選ぶ道が変わります。
A. アナログHDB. 同軸を活かしてIP化C. LAN新設でフルIP
既設配線そのまま使えるそのまま使える新設が必要
工事の規模小〜中中〜大
画質フルHD相当まで機種次第(4Kも可)機種次第(4Kも可)
AI検知・遠隔監視基本的に不可対応可対応可
将来の増設制約あり構成による対応しやすい
向いている現場今の使い方のまま画質を上げたい稼働中で配線に手を入れにくい建物改修と同時/長く使う

なお、同軸ケーブルには伝送距離の制約があります。規格や機器により条件が異なり、たとえばHD-SDIでは100m程度が目安、EX-SDIでは350m程度まで、AHDやTVIではリピーターを使って延長する構成もあります。長距離の現場では、この点が方式選びの決め手になることがあります。

天井裏の配管とケーブルトレー
既設の配管に空きがあるか、既存ケーブルが再利用できるかは、現地で確認します。

ネットワークカメラにすると、何が変わるか

AやBで悩まれる場合、判断材料になるのが「IP化で何ができるようになるか」です。

ネットワークカメラ化で得られること
画質だけでなく、運用のしかたが変わるのがIP化の価値です。
  • 高解像度…4K対応の機種も選べます。広い範囲を1台で押さえられる場合もあります
  • AIによる検知…人と車の区別、侵入検知、ラインクロスなど。誤報を減らし、確認の手間を下げられます
  • 遠隔での確認…スマートフォンやPCから、離れた拠点の映像を確認できます
  • 1本のケーブルで給電と伝送…PoE対応なら、カメラごとの電源工事が不要になる場合があります
  • 柔軟な構成…メーカーをまたいだ機器の組み合わせや、拠点をまたいだ一元管理もしやすくなります

逆に言えば、これらが不要なら、AのアナログHD更新で十分という判断も合理的です。「とりあえずIPにしておく」より、必要な機能から逆算するほうが無駄がありません。

判断のポイント

実際の現場では、次の順で確認していきます。

更新方法を決める判断の流れ
配線の状態と、必要な機能。この2つで方向が決まります。
  1. 既設の同軸ケーブルは健全か…劣化やコネクタの腐食があれば、流用できないこともあります
  2. AI検知や遠隔監視が必要か…必要ならB以上、不要ならAも選択肢に入ります
  3. あと何年使うか…長く使うほど、フルIP化の相対的な価値が上がります
  4. 今後カメラを増やす予定はあるか…増設予定があるなら、配線とネットワークの余裕を見ておきます
  5. 工事のタイミング…稼働中か、休業日に作業できるか、改修工事と重ねられるか

廃番になった機器の後継選びについては「監視カメラの寿命は何年?交換時期の見極めと、更新の進め方」もあわせてご覧ください。

よくあるご質問

Q. 今使っているカメラがアナログかどうか、どう見分けますか?

A. レコーダーの背面端子が分かりやすい目安です。丸い同軸端子(BNC)が並んでいれば同軸系、LANポートだけならネットワーク系です。カメラやレコーダーの型番をお知らせいただければ、こちらで世代を確認してご案内します。

Q. 既設の同軸ケーブルは本当にそのまま使えますか?

A. 多くの場合は使えますが、ケーブルの劣化やコネクタの腐食があると流用できないことがあります。特に屋外配管を通っているものは、現地で状態を確認する必要があります。使えるかどうかで費用が大きく変わるため、調査は早めに行うことをおすすめします。

Q. カメラだけ先に交換して、レコーダーは後から、という進め方はできますか?

A. 組み合わせによります。同じ方式内であれば可能なことが多いですが、アナログとIPをまたぐ場合は互換性の確認が必要です。予算の都合で段階的に進めたい場合は、どの順番なら無駄が出ないかをご提案します。

Q. アナログHDにすると、後からIPに変えられなくなりますか?

A. そんなことはありません。同軸配線が残っていれば、後から変換機器を使ってIP化する道もあります。ただし機器の入れ替えが二度手間になるため、長期的にIP化が必要と分かっている場合は、最初からその方向で検討したほうが結果的に安く済むことが多いです。

Q. 一部だけIPカメラにして、既存のアナログと併用できますか?

A. 構成によっては可能です。それぞれの録画機を併用する方法や、両方に対応する機器を使う方法があります。ただし管理する画面が分かれると運用が煩雑になるため、将来的な統合も含めて設計することをおすすめします。

Q. 費用はどれくらい違いますか?

A. 配線を新設するかどうかで大きく変わります。既設の同軸を活かせる場合、配線工事の費用と工期を抑えられます。台数、設置場所の状況(高所作業の有無)、必要な機能によっても変動するため、現地調査のうえ総額でお見積りします。調査とお見積りは無料です。

既設配線を活かせるかどうかの調査から対応します

まとめ

  • 更新の選択肢はA:アナログHDで延命/B:同軸を活かしてIP化/C:LAN新設でフルIPの3つ
  • 既設の同軸を活かせれば、費用と工期を大きく抑えられる
  • AI検知や遠隔監視が不要ならA、必要ならB以上
  • 同軸には伝送距離の制約がある。長距離の現場では方式選びの決め手になる
  • あと何年使うかで、フルIP化の価値が変わる

まずは現在の型番と、おおよその設置台数をお知らせください。既設の配線を活かせるかどうかを含めて、現実的な選択肢をご提案します。お問い合わせフォームまたはお電話(0120-495-666)からどうぞ。

関連記事:既設同軸を活かしたPoE化(TLC)監視カメラの寿命は何年?設置工事 費用の相場と内訳

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