システム解説

既設の監視カメラに増設したい|混在環境で失敗しない5つの確認

既設の監視カメラに増設したい|混在環境で失敗しない5つの確認

「死角があったので、あと2台足したい」「駐輪場にも1台つけたい」——監視カメラの増設は、新規導入よりも実はご相談が多い案件です。

新規に一式そろえるのと違い、増設では既にあるものに合わせる必要があります。ここを確認せずに機器だけ買ってしまい、「つながらない」「録画日数が減った」となるケースは少なくありません。

このページでは、増設前に確認すべき5点と、異なるメーカーを混在させるときの考え方を整理します。

増設前に確認すべき5つのこと

監視カメラ増設前の5つの確認
この5点を先に確認しておけば、増設で失敗することはほとんどありません。

① 録画機に空きチャンネルがあるか

最も基本的な確認です。16台対応の録画機に16台つないでいれば、それ以上は増やせません。空きがない場合は、録画機の入れ替えか、2台目の録画機を追加することになります。

なお、カタログ上の「対応台数」は、あくまで接続できる上限です。実際には次の②〜③の制約が先に来ることがあります。

② PoEハブ・録画機の給電容量に余裕があるか

PoE給電の場合、ポート数だけでなく、機器全体の給電容量(総ワット数)を確認する必要があります。ポートが空いていても、全体の電力が足りなければ動作が不安定になります。

「増設したら、夜になると既存のカメラまで再起動を繰り返すようになった」というのは、この電力不足が原因の典型例です。詳しくは「監視カメラが映らない・映像が出ないときの切り分け手順」でも解説しています。

③ 保存日数がどれだけ減るか

見落とされやすい点です。台数が増えれば、同じ容量で残せる日数は短くなります。単純化すると、10台で30日残せていた構成に5台増やせば、保存日数は20日程度まで下がります。

必要な保存日数が決まっている場合は、増設とあわせてHDDの増設や設定の見直しが必要です。考え方は「監視映像は何日残せる?保存期間の決め方と、長期保存の選択肢」にまとめています。

④ 配線ルートが確保できるか

増設したい場所まで、ケーブルを通せるかどうかです。既設の配管に空きがあれば通せますが、満杯の場合は新しい配管が必要になります。天井裏の状況、防火区画の貫通、屋外の露出配管など、現地でないと判断できない要素が多い部分です。

既に同軸ケーブルが来ている場所なら、それを活かせる場合もあります。

⑤ 機器の互換性があるか

既設の録画機に、新しいカメラがつながるかどうか。同じメーカー・同じシリーズなら問題は少ないのですが、廃番などで同じ機種が手に入らない場合、ここが最大の関門になります。この解決策は次章で説明します。

オフィスの廊下
「ここに1台足したい」という場所まで、配線を通せるか。現地確認が最も確実です。

メーカーが混在するときの考え方

増設で最も相談が多いのが、この論点です。既設と違うメーカーのカメラを足せるかどうか。結論から言うと、録画機を軸に考えると整理できます。

メーカーが混在するときの考え方
カメラ側で悩むより、録画機が何に対応しているかを先に確認するほうが早く進みます。

カメラは映像を送る側、録画機は受ける側です。受ける側が対応していれば、カメラのメーカーが違っても記録できます。逆に、特定メーカー専用の録画機を使っている場合は、その範囲で選ぶことになります。

マルチベンダー対応の録画機を使う

複数メーカーのカメラをまとめて記録できる録画機があります。弊社では、メーカーを問わず録画できる DIGISTOR(デジスター) を中心にご提案しています。既設のカメラを活かしたまま、別メーカーのカメラを足していける点が実務では扱いやすく、増設のたびにメーカーを揃え直す必要がありません。

ただし、対応機種には範囲があります。国内で広く使われている主要メーカーはカバーしていますが、すべてのメーカー・すべての機種に対応できるわけではありません。海外の一部メーカーや、流通量の少ない機器では対象外となることがあります。お使いの型番をお知らせいただければ、対応可否をこちらで確認します。

対応範囲から外れる場合は、同じメーカーの録画機を使う、既設と新設で系統を分ける、といった構成をご提案します。「1台の録画機にすべてまとめる」ことが常に最適とは限りません。

DIGISTORの考え方は「ROD ネットワークビデオレコーダー「DIGISTOR」|メーカーを問わず、まるごと録画」で詳しく解説しています。

ONVIFという考え方もあります

業界標準の規格として ONVIF(オンヴィフ) があり、これに準拠した機器同士であれば、メーカーが違っても接続できる場合があります。一般的な選択肢のひとつとして知られています。

ただし、「ONVIF対応」と書かれていれば必ず問題なく使える、というものではありません。対応する範囲は機器によって異なり、映像は映るが録画機側から設定を変えられない、メーカー独自のAI機能が使えない、といったことが起こり得ます。実際に何ができるかは、組み合わせごとに確認が必要です。

実務では、まず録画機の対応機種で成立するかを確認し、それで足りる場合はわざわざONVIFに頼る必要はありません。確認できている組み合わせのほうが、後々の運用は安定します。

同じメーカーで揃えるか、混在させるか

同一メーカーで揃える場合と混在させる場合の比較
どちらが正しいということはなく、優先するものによって選択が変わります。
同じメーカーで揃える異メーカーを混在させる
接続の確実性高い録画機の対応範囲の確認が必要
機能の活用独自機能も使える一部使えないことがある
機種の選択肢限られる広い
廃番時の対応後継機に依存する代替を探しやすい
価格制約を受けやすい比較して選べる

実務では、「録画機を軸に考える」のが基本です。録画機がマルチベンダー対応であれば、カメラは比較的自由に選べます。逆に、特定メーカー専用の録画機を使っている場合は、その範囲で選ぶことになります。

弊社は特定メーカーの専属ではないため、既設の構成を確認したうえで、つながる機種を横断してご提案できます。

廃番で、同じ機種が手に入らないとき

増設で最も多いのが、この状況です。5年前に入れた機種は、すでに生産終了になっていることが珍しくありません。

廃番時の3つの選択肢
型番が分かれば、後継機や代替機を調べられます。
  1. 同メーカーの後継機を使う…最も確実です。ブラケットや配線を流用できる場合もあります
  2. マルチベンダー対応の録画機で、別メーカー機を使う…選択肢は広がります。対応機種の範囲は事前に確認します
  3. この機会に録画機ごと更新する…既設カメラの寿命も近い場合は、まとめて更新するほうが結果的に安く済むことがあります

3つ目については、既設機器がどれくらい使えるかの見極めが必要です。判断の目安は「監視カメラの寿命は何年?交換時期の見極めと、更新の進め方」にまとめています。

増設のタイミングで、見直しておきたいこと

工事に入るなら、あわせて確認しておくと効率的な項目があります。

増設のタイミングで見直したい4項目
同じ工事のなかで済ませられることは、まとめてしまうのが経済的です。
  • 既存カメラの画角…死角ができた原因が、既存カメラの向きにある場合があります。増設せずに解決することも
  • レンズの汚れ・向きのずれ…数年経つと、風や振動で向きがずれていることがあります
  • ファームウェアとパスワード…初期パスワードのままになっていないか。ネットワークカメラでは重要な確認項目です
  • 保存日数の実測…設定上の想定と、実際に残っている日数がずれていないか

特に3つ目は、増設で機器が増えるほど管理の手間が増える部分です。この機会にまとめて設定を見直しておくと、後の運用が楽になります。考え方は「監視カメラと個人情報保護法|掲示は義務?設置前に決める3つのこと」の安全管理の章でも触れています。

よくあるご質問

Q. カメラを1台だけ足すことはできますか?

A. 多くの場合できます。ただし録画機の空きチャンネル、給電の余裕、配線ルート、互換性の確認が必要です。既設の録画機とカメラの型番をお知らせいただければ、増設可能かどうかを確認してご案内します。

Q. 既設と違うメーカーのカメラでもつながりますか?

A. 使える場合が多いです。鍵になるのは録画機側で、複数メーカーに対応した録画機であれば、カメラのメーカーが違っても記録できます。弊社ではメーカーを問わず録画できるDIGISTORを中心にご提案していますが、対応機種には範囲があり、すべての機器に対応できるわけではありません。お使いの型番をお知らせいただければ、対応可否を確認してご案内します。

Q. 増設したら、保存日数はどのくらい減りますか?

A. おおよそ台数に反比例します。10台で30日残せていた構成に5台足せば、20日程度まで下がるイメージです。必要な日数が決まっている場合は、HDDの増設や録画設定の見直しをあわせて検討します。

Q. 録画機の対応台数まで、本当に増やせますか?

A. カタログ上の対応台数は接続可能な上限です。実際には給電容量や保存日数の制約が先に来ることがあります。特にPoE給電では、ポートが空いていても全体の電力が不足すると動作が不安定になります。

Q. 既設のカメラが古いのですが、新しいカメラと混ぜて使えますか?

A. アナログとネットワークカメラの混在は、対応する録画機か、変換機器が必要になります。同じネットワークカメラ同士でも、世代差によっては制約が出ることがあります。現在の構成を確認したうえでご提案します。

Q. 他社が設置した設備でも、増設をお願いできますか?

A. 承っています。設置業者やメーカーが分からない場合でも、現地で機器を確認して対応可否をご案内します。既設の配線や配管を活かせるかどうかも、あわせて調査します。

Q. マルチベンダー対応の録画機なら、どんなカメラでもつながりますか?

A. すべての機器に対応できるわけではありません。国内で広く使われている主要メーカーはカバーしていますが、海外の一部メーカーや流通量の少ない機器では対象外となることがあります。対応範囲から外れる場合は、同じメーカーの録画機を使う、既設と新設で系統を分けるといった構成をご提案します。まずは型番をお知らせください。

増設できるかどうかの確認から承ります

まとめ

  • 増設前に確認するのは①空きチャンネル ②給電容量 ③保存日数 ④配線ルート ⑤互換性の5点
  • カタログの対応台数まで増やせるとは限らない。給電と保存日数が先に効いてくる
  • メーカー混在は録画機を軸に考える。マルチベンダー対応ならカメラは比較的自由に選べる
  • ただし対応機種には範囲がある。型番での確認が確実
  • 廃番なら後継機・マルチベンダー録画機での代替・録画機ごと更新の3択

既設の録画機とカメラの型番、増やしたい台数と場所をお知らせいただければ、増設できるかどうかと、必要な工事をご案内します。他社が設置した設備でも対応可能です。お問い合わせフォームまたはお電話(0120-495-666)からどうぞ。

関連記事:監視カメラの寿命は何年?監視映像は何日残せる?アナログカメラをIP化する3つの選択肢

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